この本を読んで印象的だったのは「貧乏」と「貧困」の違いについての一節。
考えたこともなかったので、なるほどと思いました。
それを踏まえた上での「最貧困女子」の実態があまりにも痛々しく辛いものだったので、もしかしたら読む人を選ぶ内容かもしれません。
けれど、誰も伝えてくれないあるいは誰も直視しようとしない社会問題が確かに存在するという事実を知って欲しいという悲痛な叫びがこの本に詰まっていて、現場で取材を重ねたが故の取材対象者へ生まれた優しさと現実への憤りが読む人の何かを変える何かを持っているような気がします。
この
鈴木大介さんという方の本は初めて読みましたが、似たような題材を扱う他のライターの方と比べて熱い思いを持っているような印象を受けました。
他の方は良くも悪くも大人というか取材相手にあまり踏み込まない距離感を保っている気がしたんですけど、鈴木さんは様々な現状に対する不満や憤りのような感情を(直接相手には言わないにしろ)割とストレートに言葉として表現する方なんだなと思いました。
どちらが優れているという話ではないですが、なんだか新鮮な感覚だなと。