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【本】うつ病とサッカー 元ドイツ代表GKロベルト・エンケの隠された闘いの記録

 

 

面白かったというよりはたくさんの人に読んでほしい、そんな価値のある1冊だったように思います。

 

自分がサッカーをやっていて、しかも一時期はGKだったこともありもちろんプレッシャーは自分の比ではない巨大なものだと思いますがエンケがゴールキーパーとして背負っていたプレッシャーや心の痛みが身体中に伝わってくるような気がしました。

 

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今、日本でプレイしているイニエスタも一時期うつの症状に苦しんでいたと自伝で話していましたが、サッカー選手という特別な立場で鍛え上げられたフィジカルを持っていても、活躍によって富や名声を得ていたとしても普通の人たちと同じようにうつを発症することがわかってきました。

 

この本はエンケの人生を追う伝記であるとともに彼がなぜ苦しんでいたのか、誰が彼の心に暗い影を落としたかも含めて克明に記されており、一度克服したうつでも再び襲いかかってくること、そして二度目のうつはなぜ克服できなかったのかということも社会全体に対しての問題提起として記されています。

 

なので、サッカーの知識云々よりうつについてあまり知らないという人に是非とも薦めたいという本です。