生乾きと焼餅

どの口が何言うかが肝心

【本】戦術としての監督

 

アンチェロッティさんの個人的な印象としては「すごく選手とコミュニケーションを取って距離を近づける監督」という感じだったけど、この本を読んでその印象が確固たる哲学に基づいた振る舞いであるということを教えてもらいました。

 

簡単にアンチェロッティさんがどんな人かを書いておくと元々イタリアの名サッカー選手で、80年代後半から90年代前半にかけて無敵だったミランの一員として有名でした。

現役引退後、自身が選手時代にキャリアをスタートさせたパルマの監督に就任して以来、ユヴェントスミランチェルシーイングランド)やPSG(フランス)、レアル・マドリード(スペイン)、バイエルンミュンヘン(ドイツ)の監督を歴任し現在はイタリアのナポリで指揮を取っています。

 

内容はサッカーの話ではあるけれど、ビジネス書・リーダー論としての側面の方が強めで、サッカーを知らない人でも為になると思います。

また、本の中ではクリスティアーノ・ロナウドズラタン・イブラヒモビッチを始めとする、実際にアンチェロッティの元でプレーした選手やアレックス・ファーガソンなど監督としての対戦相手からのインタビューなんかも収録されていて、読んでいて飽きない構成だと思います。 

 

この本の出版が2018年の秋頃で、日本語に訳される前の執筆期間としてはもう少し前の時期ってことになるんだと思うんですけどこれだけ選手への気遣いあふれる監督がどうしてバイエルンミュンヘン時代(2017年)に一部主力選手との不和(とそれに伴う成績不振)が理由で解任されてしまったのかについてどう考えているかについて知りたいなと思いました。