2019-10-13 【本】藝人春秋2 本 お笑い 藝人春秋2 上 /文藝春秋/水道橋博士 posted with カエレバ 楽天市場 7net 藝人春秋2 下 /文藝春秋/水道橋博士 posted with カエレバ 楽天市場 7net 水道橋博士さんについてあまり詳しいわけではないんですが、この本を読むだけでどういう人なのかがわかるような気がする、そんな本です。 本に登場するエピソードの主役になるのはタモリ・リリーフランキー、明石家さんまといった芸能人から石原慎太郎や橋下徹のような政治家まで多岐に渡ります。 その誰もに対して、綿密な準備を怠らないことはもちろん、実際に当人に会って取材することでこぼれてきた情報を漏らさずメモするという面白さに対する執念とも思えるマメさと、実際に文章にする時にそういった情報の面白さをどう見せるか考え抜かれた構成がとても見事だと思いました。 特にキャスターの小倉智昭さんに関する章に関しては、小倉さんに対する愛撫と暴力の間を行き来するような文章で笑いながら感動できます。 いろんな芸人さんがいてもいいんですが、たとえば政治家みたいな権力者に対して前述のような真摯な姿勢で準備を怠らず、愛をもっておちょくるみたいな人がもっといてもいいよなと個人的には感じます。 最近だとウーマンラッシュアワーの村本さんがそれに近いかもしれませんが、村本さんはあえて事前の知識を入れずにその場で相手から学ぼうとする人(という印象)なので、時に相手にめんどくさがられてしまうきらいがあります。 そういう意味で、水道橋博士のように事前にしっかりと相手のことを知り、意図を汲んだ上で自分の知りたいことを聞くというスタンスはたとえ結果的に殴り合いのような話し合いになってしまっても、どこか通じ合えるような感覚があるのかなと思わされます。 テレビでは放送しないようなテレビの笑い、テレビでやるべき笑いというものを垣間見れる本でした。 「武井壮vs寺門ジモン」何で争うべきか難しいけど、またどこかで観たいです。