面白かったです。
個人的なツボ要素である「未成年が完全犯罪で殺人を企てる」的な話っていうのもありましたがそれを抜きにしてもしっかり最後まで読ませてくれるいい小説だったと思います。
「登場人物が基本的になんかヤバい」けど「物語の中で浮かずに自然と存在するリアリティ」のために綴られた心情の描写もとても巧みだなぁ感じました。
個人的に思う「未成年が完全犯罪で殺人を企てる」的な話のいいところは登場人物が殺人という選択を選ばざるを得ない状況に追い込まれてしまうという点においていかに説得力・必然性を持たせるかという意味でしっかりとした前振りが必要でそういった前振りがあるとこちらも自然と物語に没入できるというところにあると思います。
そういった意味でこの小説はとても良かったというかこうした選択をしてしまうことに違和感なくむしろ心のどこかで応援してしまう、ぐらいの気持ちになれました。
強いて言えば「未成年が完全犯罪で殺人を企てる」にありがちな「企てた計画が一見完璧であるが、実行に移すとイレギュラー要素に弱くて頓挫しそうになる」という「未成年が完全犯罪で殺人を企てる」にありがちな展開の内容と結果が若干ご都合主義っぽい展開に思えなくもないというくらいでしょうか。
この作家さんの別の本をまた読みたくなりました。
今のうちに知っておいたほうがよいです。オススメです。