【本】４３回の殺意 川崎中１男子生徒殺害事件の深層

４３回の殺意 川崎中１男子生徒殺害事件の深層 /双葉社/石井光太

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読んでて辛くなる本ですが、読んでおいたほうがいい本です。

もうこの事件も4年前なんですね。

 

被害者の少年と加害者の少年、生い立ちまで含めてどんな家庭環境で育ってきたのかそれぞれの背景を丁寧に掘り下げたうえでその奥に潜んでいた大きな社会問題についても言及していてとても深い意義のある良書だなと思います。

あとはこの事件で発生したSNSなどにおける不確定情報に基づいて加害者への嫌がらせが加熱した問題や、犯行現場に多くの方が訪れて献花を行った現象についても言及されていて、そのミクロの視点からマクロな社会問題が浮き彫りになるという構成についても感心しました。

 

著者の方の立場もとてもフラットで、もちろん加害者少年の異常性だったり家族の責任だったりについてしっかり断罪しつつも、被害者少年の家族の責任についてもしっかり話していて、過度に被害者側を美化しない姿勢も個人的には良いと思うポイントです。

その分むき出しのリアルな証言が心を締め付けます。