2019-08-11 【本】絶望書店 夢をあきらめた9人が出会った物語 本 絶望書店 夢をあきらめた9人が出会った物語 /河出書房新社/頭木弘樹 posted with カエレバ 楽天市場 7net 失恋ソングと言われる作品に失恋した人がそっと寄り添ってもらえるように絶望読書という概念を提唱し、実際にさまざまな方が絶望した時に出会った物語、それは小説に限らず藤子・F・不二雄の漫画やBUMP OF CHICKENの歌詞だったりとてもバラエティに富んだセレクト9編で構成された本になっています。 個人的に好きなのは「肉屋の消えない憂鬱」という話です。 出典元は「カンプノウの灯火 メッシになれなかった少年たち」という本。 タイトルの通り、地元で一番のサッカー少年がバルセロナにスカウトされ世界一のサッカー選手になるためにバルセロナに入るのですが同じ時期にいたメッシのような圧倒的な才能もなく、また優しい性格が災いして心を病んでしまい一年ほどでバルセロナをやめてしまったかつての少年の話です。 以前紹介したロベルト・エンケというバルセロナに在籍していた時期にうつ病を発症し最終的には列車に飛び込み自らの命を絶つ選択をしたゴールキーパーの話にも言及されていてサッカー選手が背負っているものについて改めて考えさせられる話でした。 絶望にもいろんなタイプの絶望があるので、どれかひとつでも自分の絶望感に寄り添ってくれる話があれば、良い読書になると思うのでそういったスタンスで読むのがおすすめです。