自分が犬も猫も飼った経験のない人間なので、どこか他人事とは思いつつも読んでみました。
簡単に言うと日本のペットビジネスの裏側に潜む問題点を丁寧な取材と様々な関係者とのやり取り・答弁に対する適切な分析で浮き彫りにして、改めてペットを飼うということについて考える本だったと思います。
日本のペットビジネスにおいて、あれが悪い!これが悪い!というだけではなくて、評価すべきポイントや改善に向けて努力している部分だったりも取り上げているので、とてもフェアな書き手の方だなという印象を持ちました。
単純にテレビやネットで可愛いと思ったから飼いたい、と思った人にそっと勧めてあげたい内容になっています。
でも、こういう本に関心を持つ人はすでにしっかり者で動物への愛着を持っている人が多くて、本当に読んで欲しい人には届きづらかったりするのかなとか勝手に想像してしまいました。
内容が結構ヘビーな部分もあって、動物が好きでたまらないという人にとってはショッキングな内容だったりメンタルに響くような写真が載ってたりもするので、そこは少しだけダメージに備えられる気持ちを作ってもらったほうがいいかもしれません。
それでも、ペットを飼うということについて考えさせられる終章の存在で、少し心が救われるような気持ちになります。
ペットを飼っている人、これから飼いたい人、そういう人が周りにいる人にも読んでもらいたい1冊です。