生乾きと焼餅

どの口が何言うかが肝心

【本】仮想人生

 

合いませんでした。

 

お話自体がつまらないということではないのでもしかしたらドラマとか映画とか映像化したらそんなに悪くないかも、とは思わなくもないんですが。

 

というのも、あえてそうしてるのかどうかはわからないんですけど個人的な感覚では描写が足りない、という風に思いました。

何でもかんでも描写しろっていうわけではないとはいえ結構こっちの想像力頼りっていうのはしんどかったです。

物語の中で結構時間が進行するので、その時の季節がいつなのかとかそういう情報があるだけで助かるのになぁ、と。

もちろんそこはあえて書かずに読者の好きなように解釈できるという風にしてくれているのかもしれませんが。まあ好みですよね。

 

基本的には何人か出てくる登場人物の目線で話が進んでいくんですけどその人物の目線とか感覚がどんなものだったのかについても情報が少なくてあってもどこか説明的で読んでて面白いとは思えませんでした。

 

結果的に主張だけが物語の中でくっきりと浮いてしまっていろんな登場人物が置かれている状況を言いたいことのために準備して著者が普段公共の場で言えないムカついていることを登場人物に言わせてるだけのような印象というかそのためだけに準備された登場人物(のように思えた)は当然魅力的には思えず・・・という感じです。

ナオと八代君という登場人物は特に記号的に思えてしまいました。

 

とは言え、著者の方と普段見ているものが違いすぎてこちらの想像力が足りていないだけかもしれません。

実際にいろんな著名人の方も絶賛されているみたいなので好き嫌いが分かれる作品ということだと思います。

なので、映像や音声という情報が付加された時に視点が変わったりすると、もしかしたら登場人物が抱えているものだったりなんとなくぼやけている部分が自分にも見えると今の段階ではわからなかった面白さが見えてくるかも。

そんな感じです。